下町の家づくりストーリー 第2話:設計

開放感と断熱性能。
そのどちらも諦めない設計。

設計 高橋 輝

性能だけでは解決できない閉鎖的な住空間。

性能だけでは解決できない
閉鎖的な住空間。

玄関を開けて中に入ると、昼間だというのに室内は薄暗く、南側にある空き家の庭から、光が差し込んでいるにもかかわらず、家の奥にはほとんど光が届いていませんでした。

薄暗い玄関

光が届かない室内

さらに室内を確認すると、家の真ん中には急勾配の「鉄砲階段」があり、建物を真っ二つに分断するとともに、家全体に光が行き渡るのを妨げていました。天井の高さは部屋ごとにバラバラ。不自然に下がった天井や飛び出した梁、床にはあちこちに小さな段差も残っています。度重なる増改築によって、住まいは細かく分断され、暗く閉鎖的な空間になっていました。

不自然に下がった天井・飛び出した梁

廊下や各部屋の入り口ごとにある段差

現場を見て感じたのは、性能を高めるだけでは、この家は本当の意味で心地よい住まいにはならないということでした。下町の家でも、明るく開放的で、家族が気持ちよく暮らせる住まいにしたい。そのためには、間取りや空間構成そのものを見直す必要があると考えました。

特に重要だと考えたのが、「光」と「空間のつながり」です。貴重な自然光を、いかに家全体へ届けるか。そして、増改築によって細かく分断された空間を整理し、住まい全体をひとつにつなぎ直すこと。この2つを実現できれば、光と視線が家全体を巡る、明るく開放的な住まいになる。そう考えたのです。

光と空間をつなぎ、心地よさを設計する。

私がまず考えたのは、この家の中に、どうすれば光を届けられるかということでした。幸いにも南側から差し込む光を家全体へ広げることができれば、住まいの印象は大きく変わるはずです。

そこで着目したのが、家の中央にあった鉄砲階段でした。建物を分断し、光を遮っていた階段を見直し、二階の床を大胆に抜いた吹抜けを計画しました。吹抜けを設けたことで、南側から入る自然光が家全体へ広がるようになりました。縦方向へと広がる大きな空間が生まれ、以前は暗く閉鎖的だった住まいは、明るく開放的な家へと生まれ変わりました。また、一階と二階がゆるやかにつながることで、家族がそれぞれの場所で過ごしながらも、お互いの気配を感じながら暮らせる住まいになりました。

室内の一部を吹き抜けとして設計

吹き抜けに設けた障子を通して、自然光が家全体に広がる

内装には漆喰や無垢材を採用しています。素材にも自然のぬくもりを感じられるものを選び、下町に暮らしながらも、自然な心地よさを感じられる空間づくりを心がけました。
外へ広がることが難しい再建築不可物件だからこそ、家の中には一日の移ろいを感じられる豊かさをつくりたいと考えたのです。

漆喰の壁

無垢材の床

照明計画においても重視したのは、程よい明るさと心地よさをデザインすることでした。
天井から均一に照らすダウンライトは採用せず、光と影が生み出す美しい陰影を大切にしました。
夜になると、漆喰の壁や木の質感がやわらかく浮かび上がり、昼間とはまったく違う表情を見せてくれます。重心の低い落ち着いた明かりの中で、ゆっくりと時間が流れる、そんな住まいが実現しました。

空間デザインと最高峰の性能。その両立へ。

実は、私たちが目指した吹抜けや大空間、光あふれる住まいは、断熱等級7を実現するうえでの壁になりました。光を取り込もうと窓を増やせば、その分だけ熱は逃げやすくなります。吹抜けを設ければ、暖かい空気は上へと逃げやすくなり、一般的には冬寒い家になってしまいます。

例えば当初、より明るく開放的な空間にするための容易な手法として、吹抜け上部に天窓を設けるつもりで設計を進めていました。しかし、天窓をひとつ設けるだけで、断熱性能の数値は大きく悪化してしまいました。断熱等級7の壁は想像以上に厚く、天窓の設置を早い段階で断念しました。

本来なら相反する「空間デザイン」と「最高峰の性能」の両立。それがモデルハウス設計の一番の課題になりました。窓の大きさや配置の調整、外皮性能計算を繰り返しながら、その最適解を探りました。大切なのは、その住まいでどんな暮らしを実現できるのかを考え、そのために何を優先するのかを決めること。小台の家は、そうした選択と判断の積み重ねによって生まれた住まいです。

モデルハウスでは、吹抜けの下に立ち、家全体を巡る光や空間の広がりを体感してみてください。そして、もうひとつ体感していただきたいのが、断熱等級7がもたらす心地よさです。

ぜひ、真冬の寒い日にモデルハウスへお越しください。家に入ってふと気付く暖かさ。リビングはもちろん、廊下や洗面室まで温度差が少なく、吹抜けのある大空間でありながら、家全体が均一な空気に包まれていることを感じていただけると思います。真夏にお越しいただければ、外の厳しい暑さと室内の涼しさの違いを実感していただけるはずです。家全体が快適な温度に保たれていることを、ぜひお確かめください。

このモデルハウスは、再建築不可でも、ここまで快適な住まいにできる。古い家でも、ここまで安心して暮らせるようになる。下町の「困っている家」に対する、モノリスなりの再生モデルです。建て替えができないからといって、快適な住まいを諦める必要はありません。ぜひ実際にご来場いただき、光あふれる空間と、断熱等級7が生み出す心地よさを体感していただければと思います。

再建築不可物件をリノベーション
モデルハウス「小台の家」

築50年の再建築不可住宅を、断熱等級7、新築同等レベルの耐震性能を備えた住まいへ。安全で快適な住まいへ再生しました。再建築不可住宅でも、ここまで生まれ変われます。ぜひ、その目でお確かめください。

再建築不可リノベを
モデルハウスで体感できます。
完全予約制
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モデルハウス「小台の家」

築50年の再建築不可住宅を、断熱等級7、新築同等レベルの耐震性能を備えた住まいへ。安全で快適な住まいへ再生しました。再建築不可住宅でも、ここまで生まれ変われます。ぜひ、その目でお確かめください。

モノリスの
「高気密・高断熱性能」は
モデルハウスで体感できます。
完全予約制

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